今日、「予備能」という言葉を使って話をしました。
「肝予備能」「脳予備能」などという言葉をgoogleで検索すると幾つか記事がでてきます。
「○○予備能」という臓器名の後に続けて予備能という言葉を使うことが多いようです。
実は、20年以上前に、自分が会社員時代に特許の明細書の中に似たような概念の言葉がありました。
それが、fault tolerantという言葉でした。
機械やシステムの中で故障が発生したときに、その故障のために機械やシステムの処理機能が全て喪失されると困ります。
そのため、一部の故障が発生しても、処理作業を故障した部位以外で代替しようという仕組みのことを言います。
例えば、スマホが故障してしまった。そのままでは友人とスマホで通信ができない。
しかし、自宅に固定電話があれば、その固定電話で友人と通話することができる。
このような、スマホと固定電話という二重回線を保有しておけば、一方が故障しても、他方で、通信を行うことができるという仕組みです。
人間の身体の中にもこういう故障や不調を代償する仕組みが備わっています。
そうした生体のfault tolerant systemが、「予備能」と呼ばれるものです。
例えば上の文献を読みますと、「認知予備能」という概念が説明されています。
アルツハイマー病や外傷性脳損傷などで脳の働きに悪い影響を受けたとしても、
認知予備脳があると、認知機能を保持するために有効に働くということが記されています。
普段から、健康に気をつけて、健康状態にゆとりをもっておければ、
何かしらのストレスがかったときや、何かしらの身体の問題が起こったときでも、
すぐに身体の機能が損なわれてしまうのではなく、他の代償手段をつかって機能低減を防ぐことができるのです。
例えば、低体重。低体重が進めば、低栄養状態になります。
身体の中にエネルギーの貯蔵量が少ない状態です。
低栄養状態で、高いエネルギー需要がかかるような身体の変化が生じれば、とたんに脳や肝臓などの臓器に不調をきたすことでしょう。
または、食事がうまくとれない事態が発生すれば、もともとエネルギー貯蔵が少ない上に、
さらに機能を保つための最低限度のエネルギー需要に耐えることができなくなってしまうことでしょう。
人体には、もともと一定のfault tolerant systemが備わっているとはいえ、
十分なゆとりを保って置かなければ、何か問題が発生してしまったときに、代替機能を発動して処理能力を保つことができなくなる。
予備能を意識して普段から健康管理をするべきなのかもしれません。




